<節税とは>
私どもの仕事柄、タイトルに「節税」と書かれている本は殆んど目を通しております。
これらの「節税本」に書かれている手法は、当然の事ながら法的な裏づけがあり、税務署でも認めていることばかり。
私の知る限りでは、ウルトラC的な事は書かれていないように思います。
では、これらの本に書かれている節税対策を全ての企業や資産家はすぐに実行できるのでしょうか?
答えは「NO」です。
一般に紹介されている節税には、
納税者の状況によって「できる節税」と「できない節税」、
「やった方が良い節税」と「やらない方が良い節税」
があります。
節税は、次の4つの項目の組み合わせになります。
@永久節税 A 資金流出しない節税
A繰延節税 B 資金流失する節税
<節税の具体的手法>
具体的な手法として、よく例に出されるのは、
イ)倉庫に滞留している在庫品を廃棄する ・・・・@Aのパターン
ロ)パソコンを購入する ・・・・@Bのパターン
ハ)給料20日締めの会社は21日〜月末の期間の給料を未払金計上する ・・・・AAのパターン
ニ)家賃を1年分前払いする ・・・・ABのパターン
などです。
サービス業だから在庫は無いし、パソコンは買ったばかりだし、給料は月末締めだし、自社ビルだし・・・。
なんて会社は、例示の手法は一切使えませんね。
<上手な節税のためには>
仮に、事務所を賃借している会社が、家賃を1年分前払いして節税(利益の繰延)を行う場合、
・家主さんとの支払条件変更の合意の問題、
・資金繰りの問題、
・税法の継続要件の問題 等、
多方面から検討が必要になります。
「できる節税」「できない節税」の分類になります。
また、節税目的で必要のないパソコンや自動車を買ってしまっては、全く意味がありません。
「やった方が良い節税」「やらない方が良い節税」の分類になります。
上手に節税を行うには、節税意識の高い税理士と常日頃からコミュニケーションをとり、
納税者一人一人の考え方や状況にマッチした「節税の提案」を受けるのが得策です。